ガールズインタビュー
2018.04.18
Indigo Seaガール インタビュー vol.1 Flora Christin (フローラ クリスティン)
フローラ クリスティン(プロロングボーダー in インドネシア)
Instagram : @florachristin
(こちらは2018年4月18日の記事です)
世界各国からのロングボーダーで1年中賑わう、バリ島チャングーのバトゥボロンビーチ。
そこで、小柄で小麦肌、潮焼けしたロングヘアの、一際目を引くスタイリッシュなロングボードガールを見かけたら、それはフローラかも。
もしくはサンセットタイムにビーチ沿いのカフェ、オールドマンズでビックスマイルで友達とじゃれあってる、そんな彼女を目にするかな?
毎日何時間もバトゥボロンでサーフィンして過ごしているフローラは、サーフィン歴2年にもかかわらず多くのスポンサーを持つインドネシア初の女性プロロングボーダーであり、世界中にファンを持つインスタグラマー。そしてインディゴシー2018のモデル。
いつもは海で会うとちょこっと話すだけなのだけど、その度に何かしら元気がもらえる彼女のことが気になってて…。
今回はちょこっとじゃなく、じっくりと話を聞いてきました(笑)。
じゃあまずサーフィンを始めたきっかけから教えてくれる?
18歳の時から大学に行きながら働いていていたの。そのひとつの理由は、弟に仕送りをしていたから。で、その仕送りが終わって我に返った時に、自分はジャカルタにいて幸せじゃないって気付いたの。これからは自分のことをテイクケアしようって決めて、会社を辞めて旅に出たの。
シンガポール、マレーシア、タイ、カンボジア、ミャンマー、スリランカ、インドネシア。
旅先がなぜかサーフポイントが多くて、サーファーたちを眺めながら「私もできるようになったらクールかも!」ってトライしてみたのがきっかけよ。だけど、最初は波に巻かれまくって、ポイントに連れてってくれたサーファーの友達は、もちろん自分の波に乗って私のこと忘れてるし(笑)「これは私には向かないわ」って思ったわ。
そんな経験をしたのに、なんでこんなにサーフィンにのめり込んだの?
うーん。。2年間の旅が終わって、私の夢だったバリに住むことに決めたの。で、仕事を探したんだけど、なかなか自分が納得する条件の仕事が見つからなくて、とりあえず6ヶ月ロングボードをレンタルしてみたの。それから一日中海に入る生活になって、いつの間にかサーフィンが大好きになってた。
そして初めて買ったロングボードはローカルシェイパーのセカンドハンド。そのボードで板の上で歩いたり、ノーズライドを学んだの。
そうしているうちに、友達のシェイパーがライダーを探してるって聞いて、ヘルプして探していたら、「フローラ、君に削ってあげるよ」って。「Are you kidding? (冗談でしょ?)」って思ったわ。サーフィンを始めて1年ぐらいたった時ね。
そうこうしていたら、大きいロングボードコンテストがチャングーであったから出たりしてたら、少しづつ私をヘルプしてくれるスポンサーが増えていったの。それが今の仕事、プロロングボーダーに繋がって。
それで日本の静波で行われた2017年ロングボード アジアン チャンピオンシップにも行けたのよ。日本はアメージングだったわ~。
ボーイフレンドはそのストーリーにからんでこないの(笑)?
ははは! そう、初心者の頃、付き合ってたサーフィンが上手なボーイフレンドとよく海に入ってたの。でも、彼は私を置いてどこかへ行っちゃった。その彼を見返してやりたいって気持ちがあったのも事実よ! 「ヘイ、ユー!見てるか!私はサーファーガールになったわよ!」(笑)
ここ1年ぐらいシングルだけど、今はそれでハッピーよ。今は自分探しと自分のやりたいことで忙しいから。それに、良いことはそれに合ったタイミングでやってくるもんで、無理に何かしようとしても何も始まらないって信じてるの、特にリレーションシップはね。
日本の大会で結果は残せた?
いやー、日本には沢山の上手なロングボーダーがいて、結果は残せなかったわ。
でも、私にとって大会は、勝つためというより、楽しむためのものなの。人と出会ったり、いろんなところにいったり。
特にアジアのサーファーガールたちに出会えるのはとっても嬉しいことだわ。
その次のフィリピン大会では、3位になれて嬉しかったけどね。
私が大会に参加する一番の目的は人々に、ロングボードの大会にでる女性インドネシアロングボーダーがいるってことを知らせることなの。
インドネシアの女性たちをそれで励ましていきたいの。
どこかの誰かがこれをきっかけに私に興味を持ってくれて、私のストーリーを読んでくれて、そしてそれが誰かの人生のモチベーションに繋がってくれたらいい。
know what you are (自分のことを知って)
do what you love (自分の好きなことを見つけてそれに向かっていくこと)。
両親や周りがこれをしろと言うから、流行りだから、という理由で好きでもないことをするような人生はつまらない。
私も実は、前はそんな人間だったの。
でも今は自分の好きなこと、サーフィンに出会って、今までで一番幸せを感じてるわ。
インドネシアで女性がどういうスタンスでいるか知っている人だったら、私のことをクレイジーって言うわ。
いつも海にいて、危ないスポーツをして、いつも日焼けして。
バリはツーリストエリアだからまた別だけど、インドネシアでは、女性が水着になるのすらよくないことだしね。今私がやっていることをしているインドネシア女性はほぼいないのよ(笑)。
10年後の自分って想像できる?
イェス。10年後ももちろんサーフィンしていると思うけど、それ以上のことをしていると思うの。
サーフィンは私にとっては「自分の好きなことができるのよ。好きだったら人生で不可能なことってなにもないのよ」ってことを伝える方法だから、そんな勇気を伝えられるサーフリトリートを主催したいなと思っているの。
そこに来てくれた女性がまたその周りをインスパイアしていって。。。
そうやって、女性の地位向上を広めていきたいの。
私の国、インドネシアを旅した時に、どれだけ男と女が平等じゃないかっていうのを目にして来たわ。
いつかそんなインドネシア女性たちに、「男も女もイコールなのよ」って伝えていきたいわ。
将来リトリートを主催できたらその収益を、例えば、インドネシアのストリートで物売りしている女性たちのスキル向上に使いたいと思ってるの。
Interview by Chieko Frank (Indigo Sea)
Flora Christin (フローラ クリスティン)
インドネシア、スマトラ島出身 27歳。インドネシア初の女性プロロングボーダー、コンペティター。2万人以上のフォロワーを持つインスタグラマー。 Instagram : @florachristin
高校卒業後、首都ジャカルタに移り、会社員と大学生の多忙生活をしたのち、2年間のバックパッカー旅行をへてバリに移住、サーフィンを始める。
現在サーフィン歴2年にもかかわらず、多数のスポンサーを持つ。
インディゴシー2018コレクションのモデル。