草木染めについて & FAQ

バリ島とジャワ島に生息する植物から染め原料を摘出しています。
収穫される時期によっても出す色合いが変わることもあり全く同じ色を出すことは難しいとされています。
原料の濃度は数値などで表したものではなく全て職人さんの感覚のみで色を作ってゆきます。
そして原液はナマモノなため長く作り置きすることも出来ません。
その時々の変化を楽しめるのが草木染めのユニークさでもあります。

<原料について>

  • IndigoIndigo
  • MangoMango
  • MahoganyMahogany
  • KetapangKetapang
  • SecangSecang

5つの植物から出る色を絵の具のように混ぜてさまざまな色を作り出しています。
バリ島の工場で使う植物の紹介。
Indigo/藍・青色
Mango/マンゴーの葉・黄色
Mahogany/マホガニーの葉・茶色
Ketapang/ケタパンの葉・黒色
Secang/セチャン樹・赤色と桃色

<草木染め製品への思い>

葉を摘み、乾燥させ、細かく刻まれ、煮出して色を摘出する。
好みの色になるまで何度か染める工程を手作業で行う。
こうして丁重に作られた洋服は人の心を惹きつける力があるはず。
南国の太陽とダイナミックな雨が降る亜熱帯雨林。
そのエネルギッシュな大地で育つ植物で染められています。
草木染めを纏うことで自然と繋がり洋服を大切に思う気持ちが芽生えることでしょう。
日が経つにつれどんどんと馴染んで変化してゆく草木染めの風合いをお楽しみ下さい。

<草木染め製品への思い>

<草木染めの色を
長く楽しんで頂くために>

● お洗濯方法
最初の数回は色落ちがあるため単品で洗って下さい。
何度か洗っているうちに色落ちは減りますが少し出るため薄い色や白などとは一緒に洗わないようにお気をつけ下さい。
洗濯機で洗う場合は裏返してネットに入れて、お洒落着コースや手洗いコースがあると尚良いです。
中性洗剤など洗浄力の優しい洗剤を水に溶かしてから衣類を入れてください(洗剤が直接生地につくと、変色の恐れがあります)。
裏返しのまま、直射日光を避け陰干ししてください。

● 保管方法
草木染めは長時間の日光によって色が飛んだり焼けたりします。直射日光や蛍光灯の真下に置くことは避けてください。クローゼットやタンスの暗いところに、湿気を避けて保管してください。
以上の点をご留意の上、時とともに移りゆく草木染めの色合いを感じながら、長くご愛用くださいませ。

草木染め Q & A

【草木染め基礎知識編】

  • Q.草木染めってそもそも何?
    >草木染めとは、『化学(合成)染料』を使用した染色方法に対して、果実や野菜や草木などの『天然素材から摘出した染料』を使った染め方のことをいいます。
  • Q.どんな植物でも使えるの?
    >向き不向きの植物はあると思いますが、基本的に色が抽出出来る植物ならどんな植物でも使えると言われています。
    ですが一般的に有名な植物で染める方が失敗がなく、綺麗な色に染められるかと思います。
  • Q.どんな繊維でも染められるの?
    >基本的に天然繊維なら染まります。天然繊維とは動物繊維のシルクやウール、植物繊維のコットン、リネン、バンブー、レーヨン(木材パルプ)、紙などです。
    化学繊維のポリエステルやアクリルやナイロンは染まらない、もしくは染まりにくいです。
  • Q.草木染めは環境に良いの?
    >良い悪いでいうとどちらでもなく、「化学染料を使うよりはるかに環境に負荷がかからない」と言った方が正しいかと思います。
    バリ島では下水処理システムがキチンと設備されてないため、汚水は直接川へ流れてしまいます。
    天然素材の染料は化学染料に比べると水に分解しやすく自然に還りやすいのです。
    働いている人への公害は化学染料とは比べ物にならないくらい優しいです。
    ただ自然のものなのでアレルギーを引き起こす場合もあるためそのような体質の方は染色師には不向きです。
    水を沢山使うため正直環境の負担もあります。
    自然に還りやすいとは言え、媒染剤を含む染料ですので工場内で濾過システムを導入し排出しています。
  • Q.草木染めのメリットは?
    >自然のエネルギーを感じられる。
    時間と共に深みが増し変化を楽しめる。
    着ていくうちに楽しめる独自性の風合いがある。
    個性を生かせる。
    染め直しすることでお色直しを楽しめる。
    洋服への愛着が増し、生き物のように大切に扱うようになる。
  • Q.草木染めデメリットは?
    >化学染料に比べて色褪せや色落ちが早い。
    手間暇がかかる。
    同じ色を作るのが難しく失敗しやすい。
    汚れや柑橘系の汁に大変弱く救済策が難しいため取り扱いに注意が必要。
    汚れが取れない場合漂白剤を使用出来ない(漂白剤によって色が簡単に抜けてしまうため)。

【Indigo Seaの工房Talum編】

  • Q.職人さんは何人いるの?
    >35人(染色師、染料作り、柄作り、事務仕事、機織師、配達人、マネージメント)
  • Q.Indigo Seaで使っている植物は何?
    >バリ島で製造しているためインドネシア国内の植物を使用しています。
    ジャワ藍(青)
    ケタパンという樹の葉(黒)
    マホガニーの樹の皮(茶)
    セチャン(赤、ピンク)
    マンゴーの葉(黄)
    ココナッツの実を乾燥させたもの(淡いピンク、淡いチャコール)
  • Q.工程を教えて
    >素材によって工程は変わりますが基本的な工程~染め液作りの工程~
    ・必要な材料になる植物を集める
    ・細かくカットする
    ・乾燥させる
    ・煮出し色を摘出する
    ・樽で寝かす~染める工程~
    ・染める布や糸をお湯で洗いゴミや汚れを取り除く(縮み防止効果もあり)
    ・柄を入れる場合はこの時点で糸で縛ったりする作業を行う
    ・染め液へ浸ける
    ・何度か繰り返す
    ・媒染液へ浸ける
    ・最後何度も水洗いをする
    ・天日に干して乾かす
  • Q.色止めはしているの?
    >色止めという工程はありませんが色素定着させる媒染がそれにあたるかと思います。
  • Q.バリの伝統工芸なの?
    >インドネシアでは伝統工芸とされています。
    今では化学染料で染められているバティックの糸ですが、昔は草木で染められていたと聞きます。
    糸を染めて機織りで布を作っていたので、洋服を染めるようになったのは近年と言われています。
    地域によって使う植物や工程が違い色合いも様々です。

【Indigo Seaストーリー編】

  • Q.草木染め服を作るきっかけは?
    >草木染めに出会うまでの洋服作りで見た化学染色工場の実態に衝撃を受けました。
    安価で買えて簡単に染められる化学染料を、素手で触り染め終わった染料を川へ直接流していました。
    そこから草木染め工場を探し3軒見つけたのが2011年頃でした。
    そのうちの一つが今でも取引きしている工場です。
    きっかけはバリでのリアルな環境汚染でしたが、そこで働く人や工場のエネルギーが優しく、草木で染められる色にどんどん魅了され、その美しさを伝える喜びへと変わりました。

【お取り扱い編】

  • Q.取り扱いで気を付けることは?
    色を長持ちさせるコツは?
    >ズバリ洗わないことw
    それは流石に出来ないので、洗う回数を減らす。
    基本的に洗剤は使わず水洗いで裏返しにして日陰干し。
    臭いが気になり出したら天然成分の洗剤を少しだけ使ったり、アロマオイルを数滴水にしっかり馴染ませて洗濯する。
    直射日光や蛍光灯の当たらない暗いところに湿気を避けて保管して下さい。>柑橘系(レモン、ライム)で色抜けするため洋服に付かないように注意する。
    洗剤を使う場合洋服に直接付かないようにする。
    生き物のように優しく大切に扱う。
  • Q.汚れた場合どうすれば良い?
    >汚れたらすぐに水またはお湯で汚れ部分を拭きつまみ洗いする。
    それでも取れない場合は、色抜けしない程度に水で薄めた石鹸を少しつけてつまみ洗いをする。
    汚れたらすぐ!というのが決め手です。
  • Q.色が抜けた場合どうすれば良い?
    >申し訳ございません。染め直し以外の対処法がありません。
    現在おうちで染めれるキッドを試し中です。もう少々お待ちくださいませ。