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心のトリップ、ブレスワーク

先日、在住のバリ島から母国の日本へ、一時帰国してきました。今回の帰国の数日間は、二十数年前に海外在住になってから何度も繰り返した「里帰り」とは大分違い、まるで異空間にいたかのような「自分と向き合う心の旅」となりました。

それは、ブレスワークジャパンの主催する4泊5日のガイド養成トレーニングに参加したからです。

 

ブレスワーク(brethwork)とは(ブレスワークジャパンHPより抜粋)

ブレスワークとは、普段より速いペースで意識的な深い呼吸を続けることで、心や体のさまざまなブロックを解き放つセルフ・セラピーです。 チェコスロバキア出身の精神科医、スタンレー・グロフ氏が考案した呼吸法で、「一回のブレスワークは、十年分のカウンセリングに匹敵する」と言われるほど。変性意識に働きかけ、自己変容を促すセラピー及びヒーリング手法として、注目されています。 ブレスワーク・ジャパンで実施しているブレスワークは、グロフ氏が提唱した「ホロトロピック・ブレスワーク」よりはマイルドですが、それでもさまざまなな感情のリリースや身体の滞りの解消につながる、と評判です。 変性意識に働きかけるとは、すなわち、私たちの人生を司る97%の潜在意識に、自らの呼吸によってアクセスするということ。ぜひディープな自己受容の旅を体験に、セッションやリトリートにご参加下さい。

 

なんだこれは!?の初体験

私がブレスワークに出会ったのは、世界中がコロナウィルスの影響を受け、バリ島が空港閉鎖していた数年前のこと。

身体と心の調子を崩した夫に何かできることはないか探していたところ、近くのヨガ道場で、2時間の「ブレスワーク」が開催されるという張り紙を目に留め、精神を安定させる呼吸法を学ぶつもりで行ったワークショップでした。

 

ところが、その「ブレスワーク」はイメージしていたものとは全く違っていたものでした。

 

ガイドの女性がセッションの前に説明してくれた内容は、これから行う呼吸法(そのブレスワークでは激しい口呼吸を指導されました。ブレスワークジャパンでは基本、鼻を使った循環呼吸です。ブレスワークは世界中で開発され使われているメソッドであり、その手法はいろいろあります)と、ドクターでもある彼女がブレスワークによって、医療現場で苦しむ人々のおもいを受け止め過ぎて深く沈んでいた自分から解放された経験談でした。

 

初体験だった私は、説明を聞いただけではピンとこないまま、ヨガマットに仰向けになり目を閉じてただただ彼女のガイダンスに従って呼吸を繰り返していました。

 

すると…、数分間続けていくうちに閉じている目から涙が溢れ出し、やがてバリ島のビーチのゴミや、貧困で苦しんでいる人たちの映像、というよりイメージやその感覚がばーっと押し寄せてきて、理屈を超えて号泣。そんな状態でも意識のあるもう一人の自分はガイダンスに従い呼吸を続けていきます。

 

セッションの後は、ゆっくりと自分と向き合う時間があり、出てきたおもいや感情をジャーナリングしました。

そこで私が気付いたことは、小さい頃から夢見ていた南国、海と自然溢れるバリ島に住んで、心から幸せと思っていたのは嘘偽りのないおもいだけれど、一方で辛いから全部は見ないでいた、バリ島のゴミ問題や貧困問題という現実に相当ショックを受け傷ついていたんだな。その問題は自分の問題でもあり、それに対してどう向き合えばいいかが今後の課題。というものでした。

 

隣でセッションを受けていた夫は「妻や周りや環境に感謝の念が溢れてきました」と言っていました。夫を癒したくて連れて行ったセッションでしたが、私自身が、今まで体感したことない経験に「なんだこれ??」という思いで好奇心いっぱいになったのを思い出します。夫はそんなに興味湧かずでしたw

 

ブレスワークガイド養成講座に参加

「あの体感は何だったんだろう」という探究するおもいと、自己鍛錬を深めるためのツールとしても、その後何度かブレスワークを受け、そのたびに何かしらの体感を得、その分興味は深まり、初体験から数年は経過していましたが、流れに乗って、今回の日本帰国でブレスワークジャパンの合宿(ガイド養成トレーニング)に参加することができました。

 

合宿では、安心、安全なスペースの中、初めて会った参加者や先輩ガイドたちとの温かい交流を交えて、一人前のガイドになるための座学、自己理解、他者とのコミュニケーション、日々マインドフルに生きる「あり方」を学びました。

 

それだけでも自分と向き合える唯一無二の時間でしたが、同時に、何度も先輩ガイドの個性溢れるブレスワークセッションを受けることができ、何もこれといった感覚が湧かない場合も含め、それがいろんな意味で最強に素敵な経験となりました。

 

後から振り返った時に確信すことになると思いますが、今はうっすらと、これは私のひとつのブレイクスルー(何かの壁を突破する)経験だったかも知れないな、と思い始めています。

 

解放ってこういうことなんだ

ひとつ「解放ってこのことだったんだ」という感覚を受けたセッションのことをお話しさせてください。

 

ブレスワークでは、呼吸のリズムを誘導する音楽が重要なポイントになってきますが、その時のセッションで呼吸がリズムに乗ってきた時に突然体感が始まりました。

 

〜いつかの昔、誰のためでもない、自分自身が一番ご機嫌になる服を選んで着飾ってメイクしてゴーアウトする、これから起こる出会いや出来事にただ心踊らせるワクワクした感覚。ずっと忘れていたけれど確かに自分のものとしてどこかにあった、何にも縛られない、何の境のない、本当の自分が世界に溶け込む感覚〜

 

その時、音楽がトライバルなダンスミュージックに変わり、そのリズムに舞妓されて、最高に輝いて踊っている私がいました。実際には寝転んでいた私は、その感覚を全身で感じながら、呼吸をしながら、身体を起こして、泣きながら踊り狂っていました。

 

〜今私は、自分の中の世界の主役、ダンシングクィーンなんだ!〜

 

その時練習として初めてガイドをやってくれていたガイド修行仲間のミカコちゃんは、私と呼吸が連動し、リズムが合わさり「もっといける!もっともっと」っという心から出てくる声かけをしてくれて、私はどんどん、自分が他の何者でもない自分自身の主役であるという解放に向かったのです。

 

号泣するほど愛しくて切なくて永遠に続いて欲しかったけれど終わりを迎えたそれは、時間にしたらきっと10〜20分ぐらいだったのだと思いますが、その強い感覚の残照を感じながら思ったのは、

 

「ああ、私はこのキラキラした気持ちを表現してシェアしたくて衣作りをしているんだ」

 

「今ティーンエイジャーの娘たちには、おもいっきり青春をエンジョイして過ごして欲しい」

 

「自分の青春時代は過ぎ去ってしまい切ないけれど、この感覚は永遠に自分の中にある。これからもなりたい自分になれるように着飾って心身ともに磨いて、自分を大切にして生きよう」

 

インテグレーション 気付き

合宿の後、数日間を実家で過ごし、バリに帰国し数日が経過している今。自分が敏感になっていて、気付きが増えたことを実感しています。

 

家族、仕事、バリ島、自分をとりまく環境は前と同じだけれど、自分の見方が変わったことで、周りが変わったことがよくわかります。

 

 

いくつかのことが変わっていますが、一番わかりやすいのは、コミュニケーションがギクシャクしていたティーンエイジャーの娘との関係。

 

以前の私だったら、例えば夜出かけた娘が何時に帰ってくるか、どこに誰といるかなどの表面的なことが気になっていましたが、今は心から楽しかったかどうかが一番聞きたくなっています。

 

楽しかったと聞くと、ほんとに良かったと思います。今までできなかった娘目線になることが自然にできています。それが同じ音楽を聴くとか同じスターを好きになるような、私にはできないんだよな、と思っていたことではないことがわかりました。

 

娘はそんな私の変化は知らないはずなのですが、以前のように声をあらげて自分の言い分を通したり言い訳することなく、私との会話を穏やかにできるようになりました。

 

ナチュラルな魔法

娘との関係は、悩んではいましたが、それをブレスワークで解決などとは微塵も思っていませんでしたし、あのブレスワークセッション後思ったことが、こんな形で変化を起こすのも全く予想していませんでした。まるで魔法みたい。ナチュラルな魔法。

こんなクリエイティブで、ワクワクして、本来の自分を見つけられて、他人にもシェアできる、とっても楽しいものに出会えてとてもラッキーだなと感じています。まるでサーフィンにハマった時のように。

ちなみに、その後に会った学生時代の友達は、開口一番「チエちゃん、学生時代の顔に戻ってる!」と言っていました。若返り効果アリ!?w

ブレスワークガイドとしての修行は、これからブレスワークを人に提供して実践を積み、自分も受け、オブザーブし、瞑想などで自分鍛錬など様々な課題をクリアして、1年後にアセスメントを受け、そこで認められたらガイドとなれます。

 

ガイドになれるかなれないか、なった後や、その10年後はどうなっているか、この行動がどう影響するのか。

先のことはわからないですが、とにかく今は楽しみながらそこに向かっています。

Indigo Sea チエコ