Bali and beyond

チャングー名物ショートカット (サバイバルTIPつき)

(こちらは 2018年10月24日の記事です)

はじめまして! 自称サーフヨギーニ(笑)、Indigo Sea Chiekoと申します。
これから同じくバリ島在住のIndigo Sea Yukoの2人でこのブログを綴っていきます。

 

関東平野のど真ん中で生まれ育った私。大人になってからは無計画でその時その時の思いつきだけで生きてきたら、埼玉→東京→ハワイ→マリブ→サンディエゴ→パナマ→バークレーと流れまくって、現在、変な日本語のボキャブラリーが豊富な夫(アメリカ人)と、納豆好きの優しい義父(アメリカ人)と、猿とコアラな娘たち(動物占いより)の5人でバリ島の西海岸、チャングーへ住み着いて6年目になります。子育てがある程度落ち着いた最近のマイブームは、関西弁の勉強と、新しく起業したIndigo Seaという草木染めウエアのビジネスです。いつかyukoとコテコテの関西弁だけで会話できるようになるのが私のささやかな夢です。

さて、さっそく今回は、私の住むおかしな村チャングーについて、最も知ってほしいけど観光には全く役にたたないであろうローカル情報を教えちゃいますね!

ひと言でチャングーといっても、ここは大きく分けて南のブラワビーチ側と北のバトゥボロンビーチ側に二分されています。その2つのエリアをつなげる、美しい段々畑に約1.5キロ続く近道こそが、今回のお題であるショートカットなる道路だ。

そもそもチャングーは、元はただの田圃が開発されてできた街なので、ここに通る道路は基本、昔は田圃を耕すおっちゃんおばちゃんが歩くクネクネした畦道だった。

もしあなたがこんな名も無い畦道沿いに初めて家を建てたなら、その畦道を命名するのはズバリあなたになるでしょうw ホントに。

こんなんだから、自分の走っている道路がT字路に突き当たって違う道に右折した風を装っていても、ずっと同じ名前で続いていたりw、かと思えばまっすぐ走ってるだけなのにいつの間にか道の名前が変わったりと、かなりなお茶目っぷりで道行く者たちを翻弄してくれる。

ちなみに私の家のストリートは、昔は田圃を耕すおっちゃんおばちゃんしか通らない畦道だったくせに、「マーメイド」(のインドネシア語)という大胆不適な名前がついていて、そこに住む私としてはまんざらでもない気分である。

で、このショートカットも例のごとく、「じゃあ、向こうとこっちの村を行き来できる近道があったらいいんでねえか?」風に、初めは畦道が少し幅広くなった感じで出来上がった。
このショートカットを使うと、向こうからこっちに来るのに10分は時間が短縮されるのが分かると、利用者は激増。
それに伴いガタガタ道だったのをブロックで舗装して。。。というなんともほのぼのした発展の道をたどったのだ。

ちなみに、この美しい段々畑が広がる地域は、グリーンベルト地帯といって、政府から、建物建設一切禁止な場所に指定されているので、私が移住し始めた当初は「インドネシア政府もなかなかやるな!」と、この美しい緑をうっとりと眺めたもんだ。
が、その直後にポツンポツンと例のごとくヴィラやレストランができ始め、やっぱりだな、と思い直したもんだ。
インドネシアは汚職がはびこっているため、ルールがルールとして成り立たないのが普通なのだ。

さて、ここも元は畦道だっただけに、なんせ幅が細い!
噂によると、政府がお金を出してくれないため、地方自治体が独自に作ったので、予算の足りない関係でこうなったという。
1.5キロぐらいあるのに、決して車が2台すれ違うことができない。
おまけにブロックでできているので、土砂崩れ風崩壊が頻繁に起きるのだ。

<ショートカットTIPS>
先頭車になったあなたは、自分は平和主義の特攻隊長と思うべし。
ショートカットにエントリーする地点でまず1キロ先に目を見張り、対向車が来るかチェックしなければいけない。
もし来たなら溝川に落ちる一歩手前まで車を寄せて待機。
やっとその車が横を通り過ぎて行けると思った3秒前に、またマナーのない車が遥か向こう岸からやってきてしまっても、もうどうすることもできない。
叫んだり、クラクションを鳴らしたりせずに、ここは禅の境地になってまた1から待機しよう。
ここで心乱され「ざけんなよ!」と叫んでしまったり、すれ違う対向車に対して中指を立ててしまったら、奴(誰?)の思うツボ、特攻隊長失格。
怒りの機関車は発車すると止まるのに時間がかかる。
この類の怒りは、終点駅の無い怒り。
なので、発車させないためにも、ショートカットにエントリーする前に深呼吸して心を落ち着かせることをお勧めする。

バイク乗りのあなたは、か弱いオーラを身体全体から出すよう心がけよう。
初心者は、数日間バイクを乗り回して慣れてからここに挑もう。その時は、コバンザメのごとく車の後ろについていこう。
もし向こうから車が来てすれ違わないといけなくなった場合、すごい端っこに停車して車がすれ違ってくれるのを待とう。バイクに慣れているあなたは、ノロノロ運転で乗り切れることでしょう。

とにかくここは、来る人を選ぶ、スペシャルな道路なのだ。
もし何も知らずにエントリーしてしまったら、対向車とショートカットの真ん中でにらめっことなり、自分の後ろに大渋滞を巻き起こすハメとなる。
マナーのない対向車に怒り狂って心乱れたままだったり、上の空で走ったりすると、車でもバイクでも田圃の泥んこ地獄に真っ逆さまだw

でももし万が一あなたがたった1人で泥んこ地獄に陥ってしまっても、必ず誰かが救いの手を差し伸べてくれる。

ある女子は、こともあろうかデートに行くために思いっきりドレスアップしたその日、バイクの後ろにくくりつけておいたヘルメットを泥んこ地獄に落としてしまった。
とりあえずバイクを脇に停めてはみたものの、ヘルメットに手は届かず、どうしたもんかとオロオロするばかり。すると間もなく向こうから来たバイク男子が目の前で停まり、無言で泥に入り込み、ヘルメットを取って笑顔で彼女に渡してくれた。。。

チャングーって、バリって、こういう所なんです。

ただその一方で、人口増加に伴い、ひったくりや暴行時間が増えているのも事実。
また、ここは、実は法律的には、バトゥボロン側からブラワに向かう一方通行の道路なんだが、 みんな無視している。そして思い出したように、ごくたま〜に警察官が取り締まりに来る時がある。という大事な事実も最後に記しておこう。

(2021年10月現在、一方通行が守られるようになりました笑)